「いつかほろびる街の水平線」

 

この地球にあるものは何であれ、いつかほろびてしまうものであって、永遠は言葉だけが存在している。

長い時間をかけて、永遠にも思える水平線ですらほろびていく。

雪のひとひら、徒花、溶けていく氷像、砂に書いた文字、短命の蜉蝣、ぱっと煌めいて消えていく花火、すべて、儚さが美しくて、愛おしい。

月だって、地球だって、ただの巨きな石だ。

海へと流れていく小石のようにほろびていく。永遠なんてないということに安心する。絵画や書物も、いつかはほろびる。

すこしだけ触れて、すれ違って、切り火したときの火花のような儚い感動が、自分とあなたが生きている間だけで、存在していてくれたらと願う。

その儚さを、後生大事にします。